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うちの社長が酷すぎる!

第2章 新しい会社で

エレベーターが上昇するのを感じながら、心臓を抑える。
運良く誰も乗ってなかったから、それをいいことに頭を抱えた。

「あぁぁぁあぁぁぁああああ……」

頭を左右に振る。
こんな高そうな会社で働ける自信が無い…!

ポーン
音がしてエレベーターの扉が開く。
深呼吸して鞄の取っ手を握り直して歩き出す。

雄飛が背中を押してくれた。その期待に、答える!

降りたところは窓ガラスが壁一面にあって、外のいい景色が見える特等席のようなフロア。

「わぁ……!綺麗…」
「光栄です」
ふと声をかけられて「ぎゃっ」と悲鳴をあげながら飛び退く。
後ろにいたのは…30代に見える男性。
かしこまったように深く礼をされる。

「え?えと……」
「申し遅れました。私、当社のコンサルタント取締役、中野と申します」
う……硬そう。怖いかも…

「社長は奥の部屋にいらっしゃいます」
それだけ言ってすたすたと反対方向に歩いていってしまった。

奥に進むと、確かに立派そうな扉。
こんこん、とノックすると奥から「入れ」と声がした。

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