うちの社長が酷すぎる!
第2章 新しい会社で
カッカッカッ
ヒールの音を立てながら廊下を進む。
「む・か・つ・く………!」
小さく怒りをあらわにする。
もうやだあの人…!!
なにが「秘密♡」よ…
ほんと腹立つ。
でも…
あの人のキスには、雄飛には無いような濃厚さと強引さがあった。
触れ合うだけのと、全然違う。
海叶のときもそう。
「あ、橘さん!」
女子トイレから杜山さんが出てくる。
目が少し赤くて、私は宝条社長とのやり取りを思い出した。
「…杜山さん、すみません。聞いてもいいですか?」
「ん?なにかな?」
杜山さんは笑みを作る。
「…宝条社長のこと、どう思ってますか?」
杜山さんはハンカチで手を拭いていたのを止めた。
「……気づいちゃったか。…そう、異性として好きなの」
やっぱり……