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うちの社長が酷すぎる!

第3章 初めての。

その日の仕事は、昨日と引き続き杜山さんの見学。
今日は大企業会社を訪問するそう。

「県外とかにも普通に行くけど…大丈夫?」
「はい!全然平気です!」

むしろ宝条社長と顔合わせなくて済むからラッキー!

…なんて思っていたら。

「ごめんね!!報告書のミスが多くて…行けなくなっちゃった!」
杜山さんが頭を下げる。私は両手を振って謝罪を否定した。
「いいんです!私は杜山さんの見学って仕事なので…報告書の書き方とかも学べるし」

そう言うと杜山さんは「あ、でも」と続けた。
「私の代わりの人がいるから…その人と一緒に行くはずだったよ?」
「…え?」

杜山さん以外の人…?
あんまり面識がない人と遠出はちょっと、と言おうとしたら後ろから硬い何かで頭を叩かれた。

「っなんですか!?」
キレ気味に振り向くと、バインダーを片手に持った…宝条社長。

「うるさい。仕事の邪魔になるだろ」
…何その言い方。
朝のこと根に持ってんの…?

「仕事って……今その仕事の話をしてたんです」
「仕事の話をしていればうるさくしていいのか?耳障りだ」
「うるさくしてるつもりもありません。というかここはフロアなんだから好きにしていいじゃないですか!」
「フロアはお前だけのものじゃない。」

何この人。あぁ言えばこういう人、ホント嫌い!
杜山さんはそのやりとりを見て微笑んだ。

「なんか……仲良いんですね、2人とも」

「「仲良くない(です)!!」」
「息ピッタリ」
くすくすと笑われて、私は我に返って少し距離をとった。

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