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うちの社長が酷すぎる!

第3章 初めての。


「当たり前だ」
宝条社長は鍵を沢山持っている。
恐らく空き部屋の鍵。

「私…ラブホ来るの初めてです…」
「…そりゃ、まだ未貫通ならな」
宝条社長と話しながら、絨毯の敷かれた廊下を歩く。

「にしても…綺麗な内装ですね」
「当たり前だろ、うちがコンサルティングして各会社と連携を取ったりしながら内装相談を受けたんだからな」

部屋の取っ手にまで細かな模様が付けられている。
通り過ぎる部屋が沢山あるということは使用してる人が多いということだろう。

「…………」
無言だが、顔が熱くなるのが分かる。

「…なーに想像してんだ?」

耳元で囁かれる…
宝条社長が意地悪そうな顔でニヤニヤしていた…

「べっ……別に何も!!」
顔を思い切りそらして、腕を組む。

いつか私も雄飛とこんなところに来るようになるのかな…いや、なるんだよね…
それを考えると更に顔が熱くなる。

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