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うちの社長が酷すぎる!
第4章 知ってしまった
ヒカルside
鍵を失くした、と聞いて自分がラッキーだと思ってしまった。
海叶の件以来あまり話せてなかったし、会うことも少なかったから。
部屋に通して風呂に入るよう促したとき…気づいた。
俺がしてることは前の海叶と同じだ。
風呂に入れよなんて言って、冷静を装った下心に嘘をついていた。この気持ちのまま行動すれば
…きっと、稀乃を傷つける。
風呂から上がった稀乃は思ったより色っぽくて正直ドギマギしたけど、耐えた。
料理作るとか言ってエプロンをつけている姿を見て心踊った自分がいた。
ー俺のためだけに稀乃が料理を作る。
そう思っただけで嬉しかった。
…だが、仕事疲れが抜けきっていなくて俺は寝てしまった。
目が覚めたらカウンター越しに稀乃が茶碗を洗っていた。
「…んぁ…稀乃?」
「あっ、水の音で起こしちゃいましたか?ごめんなさい…」
いや、と言おうとしたら目の前にカレーを見つけた。
「…っ悪い…寝てた。」
「いえ、大丈夫です!カレーなんてまた作ればいいですし…」
稀乃はそう言ってカレーを下げようと手を伸ばした。
いつもの俺なら、「おー」とか言って手付かずの料理を見送って流されてく様を見ていたはずだった。
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