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アホエロ小説

第1章 引っ掛けたら後悔しました。

「ぶっ!!!!」



桐野はそのままその壁に衝突した。


壁にしては何か生地のような...



「Excuse me.」


流れるような綺麗な英語の発音が頭上から降り落ちた。
低く落ち着く声ながらもどこかに甘さを含んだ危険な声。その一瞬して背中にしびれる電流のような刺激が駆け上がった。





桐野は職場では女性の視線を一身に集めながらも、その恋愛対象は男であった。




つまり"ゲイ"なのだ。


そんなわけで、たとえ男の声でもつややかな色気に包まれていればそれは十分桐野の性を刺激する。


こちらこそすいません、そう言おうとして顔を上げたその先の輝きに桐野はおもわずヒュッと喉を鳴らした。

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