アホエロ小説
第3章 兄と弟の不純同性交友?
「ねぇ隆〜、今日あそびにいこ??」
「んー、どこいく?」
茶髪にピアス、着崩した制服に目立つ長身が学年1かわいいと呼ばれる女の子の肩を寄せながら大きな大群を引き連れて廊下を歩く。
羨望と尊敬と少しの嫉妬を混じえた視線を一身に集めて歩くその男を俺はよく知っている。
耳に入ってくる黄色い声を無視して生徒会の資料をまとめながら帰りの準備をしているとそんな輪の中心から聞き慣れた低い声が響いてきた。
「兄貴、今日も遅くなるって母さんと父さんにいっておいて。」
不敵な笑みを浮かべた男の目が俺を捉えて時を止める。
「じゃあね、兄貴。」
その背中に
「わかった。」
そういう術しか俺にはわからない。