Everyday Love
第3章 魔法のくすり【白黄】
通信を切り、ドギーが目線を上げると全てを聞いていたデカレンジャー達は心配そうな顔でこちらを見ていた。
「…そういうことらしい。」
「海に落とされた挙句風邪なんて…可哀想に」
センちゃんがやるせないと言ったように首を横に振る。
「本当にむかつくヤローだったぜアイツ…!」
「落ち着け、バン。うるさいぞ。」
導火線の短いバンが勢いよく机に拳を叩き込むのをホージーが宥める…が逆に刺激してしまったようで2人は格闘し始めた。
「お見舞いに行かなきゃだね、テツ…テツ?」
ウメコがテツに賛同を求めようとしたがテツは他のメンバーより厳しい顔を浮かべ「ナンセンス…」といつもの口癖を口にするとデカルームを出ていった。
「ちょっとテツどこ行くのよー!!」
ドギーに連絡を入れたあと、ジャスミンはデカベースにあるメディカルセンターで検査を受け薬を貰った。
とてつもない気だるさのなか何とか気力だけでお粥を作り体内に流し込み薬を飲む。
そして息をふぅっと吐き、ベッドに寝転び布団を被っった。
頭がボーッとする。お粥を作ってたら熱が上がったかもしれない。
あの時、落とされてなかったら…!もっと注意深く相手の攻撃を見ていれば…!とどうしようもなく自己嫌悪に陥る。
そのとき部屋のドアがリズムよく鳴った。