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今夜も君をオカズにする

第3章 文芸部Ⅱ

パタン、と

終了の合図

また先輩が本を閉じて

本棚に返しに行く

僕もそれに合わせて

切りのいいところに視線を落とし込む

ふと、読んでいるページに新しい影が落ちて

「できれば今日使ってほしいな

私の下着…あなたのオナニーの道具に」

ねっとりとした声が耳元でいきなり発せられて

僕はびくりと身体を震わせた

「じゃあ、また明日」

ほとんど感情がないフラットな声と

びっくりしたことに満足したのか

彼女の少しだけ、ほんの少しだけほころんだ顔

びっくりして彼女を見上げたのはほんの一瞬で

すぐにカバンを手に取って、彼女は廊下へと消えていった

また今日も

都合よく鍵係を押し付けられたような気もしない

少し理不尽な放課後の終わり掛け

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