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今夜も君をオカズにする

第4章 心の残弾

うっすらと瞳の奥が文字の列を追っていることだけわかるくらい

彼女は動かない

そのまま、少しの時間が経過して

「ふぅ…」

パタンという音とともに

文芸部の女王が小さくため息をついた

いつもと同じ

本が閉じられる音

部活が終わる音が

この少し広めの空間に響いた

「こっちきて」

ぼうっと立っている自分に投げかけられる

言葉

カバンを適当な台の上に置いて

先輩の前に立つ

すっと手が伸びて

彼女に抱きすくめられた

慎重さの関係で

僕の胸に彼女の横顔が押し当てられる

「ドキドキ聞こえるね」

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