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今夜も君をオカズにする

第1章 文芸部

「オトコのヒトの精子って、女性の膣内で3日間くらい生き延びるみたいよ

アソコの中ってそんなに居心地いいのかしら…」

誰に言うでもなく、一人ごちる

「どうなんでしょう…」

的確な、何か気の利いた答えを返せずに

僕はあいまいな返事をする

「いっそ精子のころに戻って体感してみたいわ」

アンニュイな声のトーンで、先輩が会話を続ける

ページをめくる

パタン

と乾いた音がして先輩が本を閉じる

銀色に光るしおりが挟まれて

今日の文芸部の活動が終わる音

「それじゃあまたね」

本棚に本を戻すと彼女はコートを着てかばんを持つ

「お先に失礼」

文芸部の扉が閉まり

パタパタと軽い足音が遠ざかっていった

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