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僕らの歪な経験値

第2章 齧る

翔 side







俺の気持ちを知らない大野は、あっさりと来なくなった。



折り紙も俺の机に置かなくなった。



元々、気まぐれな性格だ。



気が向いた時に来て、気が向かなければ帰っていた。



もう、二宮が来るようになっても来ないかもしれない。



そしたら接点も無くなる。



寂しいのか?



寂しいと思ってるのか?



自分に問いかける。









放課後、自分の教室に覗くと、そこにはアイツがいた。



俺の心のほとんどを占めてる男。



翔「大野…」



その名前で胸がキューンする。



女子か。俺は。女子なのか。



翔「恋する乙女かよ…」



以前、雅紀に言った言葉をなぞる。



笑えるな。



自分にブーメランで返ってくるなんてな。





アイツは教室に1人、外を見ていた。
 


ごそごそ。



変わらず大野を見ていると、何やら動き出した。



ん?



んん?



んんんんんん?



アイツ何してんだ?



自分で自分のアレをアレしだした。



え?えええ?ええええええ?



オナっオナ………ニー…してる。



外を見ながら。



女子テニス部が部活動中だからか。



それ見ながらシコってんのか?



大野のアレが見えそうで見えない。



なんかでかそうだけど。



じゃなくて。



教室でするなんて何考えてんだ!






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