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僕らの歪な経験値

第3章 中る

翔 side







頼む!頼む!この通りだ!



そう頭を下げる。



ニ「わかったよ」



情熱が伝わったのか、二宮は、教える、と言った。



ニ「でもゲームはもらう。本体も」



もらうのね。



俺のこずかい足りるかな?



翔「じゃ、教えてくれ」



ニ「……」



翔「さあ、どうぞ!」



ニ「……」



翔「教えろや、コラ」



ニ「別に、たいしたことじゃないよ」



翔「ふん?」



二宮は言いにくそうに言った。



ニ「別に隠す程のことでもないよ?ただ、ベラベラ人のことを話すのはどうかなって思っただけで…」



内容はともかく、大野のことが大事だから黙ってたんな。



偉いじゃないか。



それすら嫉妬ですけど。



翔「いいから話せ」



二宮は勘弁したように、口を開いた。











ニ「大野さん、好きな人できたんだって」



え?



うそ?



うそだろ?



ニ「どうしたらその人と付き合えるかな?って相談されてたんだよ」



マジかよ?



大野の部屋に行ったことで俺らの仲はどこか進展したものかと思っていたのに。



翔「それで?」



ニ「それで、って?」



あの人には別に好きな人がいたんだ。



翔「あなたはなんて答えたの?」



ニ「え?普通に『デート誘ったら?』とか言ったけど」



そっか。



俺らの間にはセフレっていう関係しかなかったんだ。







頭が真っ白になって、二宮がその後何か言ってたが頭に入らなかった。







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