テキストサイズ

僕らの歪な経験値

第4章 ズレる

翔 side







翔「ねぇ。名前で呼んでくれないの?」



智「名前?」



翔「俺のこと呼び捨てでいいよ」



俺らはいつまで経っても『大野くん』『櫻井くん』のままだった。



なんとなく変えるタイミングが無くて。



でも急に呼ぶのもなあってなって。








智「さくらい?」



翔「ぶはっ!いやそっちじゃなくて」



名字を呼び捨てされたので笑ってしまった。



翔「俺も智って呼ぶから」



すると大野は向こうを見た。



急に呼び捨てにされて嫌だったかな。







智「……しょう、」



すごく小さな声だった。



うう~。可愛すぎるっ!



智「うわっ!」



思わずその背中に抱き着いてしまった。



翔「智っ!さとしっ!サトシっ!」



智「わぁ何?…………………………翔」



名前を呼ぶだけでこんなに好きで溢れるのはなんでだ。



名前を呼ばれるだけでこんなにときめくのはなんでだ。







俺がときめきで溢れていると大野…………いや、智は振り返って俺にキスしてきた。



俺の口を割り舌を入れてくる。



俺はそれを捉えて離さない。



智「んっ…んむっ…」



キスがめちゃくちゃ気持ちいい。









こうやって、智が俺が好きだってのは伝わってくるのに。



最近、少し壁が見えるのは、俺の気のせいだよ、な?







ストーリーメニュー

TOPTOPへ