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僕らの歪な経験値

第6章 好る

智 side







俺はもうどうでもよくなって、抵抗を止めた。



急に動かなくなった俺に対して、翔も動きを止めた。



俺の無気力な顔を見て、俺の上がらどいた。



翔「くそっ!」



翔はおれに背を向け、ベッドの端に座り、ベッドを思いっきり殴った。






ああ。



もう終わりなのかな。









翔「俺は別れねーぞ!絶対に!!」



俺に背中を向けたまま、空に翔は叫ぶ。



翔「あなたは俺のものだ!二宮に渡さない!」



最後の方は声が震えてた。



翔は手を自分の目元に持っていく。



泣いてるの?



俺と別れたくないから?



智「俺の体はそんなにいい?」



翔「は?」



翔は思いっきりコチラを見た。



その目に宿した炎が消えかけていたのに、まだ燃えだした。



智「男とのエッチにはまっちゃったの?」



翔「ふざけんな!バカにしてんのか!」



智「バカにしてるのはそっちでしょ!」



俺の強い言葉に翔の瞳の炎は消えた。



智「俺聞いたんだよ」



あ、やばい。俺も泣きそう。



翔「何を」



智「翔が女の子がいいって」



翔「そんなこと言ってない!誰に聞いたんだ!」



智「あなたが言ってたの聞いたんだよ!」



とうとう涙が瞳から流れた。



堰を切ったようにどんどん溢れてくる。







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