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僕らの歪な経験値

第7章 会する

和也 side







その後の俺は意識しまくってるアホにむやみに触ったり、ボディタッチを繰り返してた。



バカはみるみる赤くなって今まで喋ってたのが大人しくなって、すげー面白かった。



人を弄んでいる気になって気分が良かった。







昔から、周りにかわいいやなんやら言われて嬉しくなかった。



小学生まではかわいいって言われるのが嬉しくてぶりっ子したりしてけど。



俺はしたたかなんだって気付いた。



でもそのかわいいってのも、中学に上がってから嫌になった。



皆背が高くなっていく中、俺の背は伸び悩んでた。



そんな中で「かわいい」と言われることも、背が伸びないのに影響してんじゃないかって。



被害妄想が出て来て。



ま、年上のお姉さんにいろいろ教えてもらうことになった訳で。



それは俺かわいくて良かったなんて思ってるけど。



身長も伸びないまま、高校生になって。



やっぱり「かわいい」って言葉が俺に付きまとった。



すごく嫌で、おれは聞こえないフリをしたんだ。



入学式の日に聞こえてきたんだ。



雅「ねぇねぇしょぉちゃん。あの子かわいくない?」



俺はうんざりして、声の方に向かなかった。



俺は横目でチラと確認した。



男だ。



男の声だ。



男が男の俺にかわいいと言っている。



そう報告された男は全く興味無さそうだったけど。







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