君と見たあの星
第2章 10年前の七夕
『星奈ちゃんは今日がお誕生日なんだよね?』
先生の言葉にコクンと頷き返事をする女の子。
『よし、それじゃ星奈ちゃんと一緒に七夕祭りの準備を始めましょう』
先生はそう言うと女の子の母親を連れて教室を出て行った。
他に居た先生の言う事に従い、七夕祭りで使う笹に飾り付ける短冊に、願い事を書く事になった。
俺は椅子に座り、自分の好きな青色の短冊と書くのに必要な鉛筆を手に取った。
「何書こうかなー…」
鉛筆を持った侭短冊を見詰め、呟く。
考え筒ふと笹が立て掛けてある窓に目を遣ると、今日やって来た女の子が立っていた。