君と見たあの星
第2章 10年前の七夕
「うん!俺の頭撫でてくれたんだ」
『あらあら、りゅうくんよかったわね』
母さんは微笑み乍俺にそう言った。
其れがよかったかは俺には解んないけど、星奈ちゃんの小さな手の感触が忘れらんないよ…
『りゅうくん、其れより早く帰って七夕祭りの支度しなきゃ!』
母さんがいきなり大きな声で述べたのでビクッと肩が震えた。
あ…
そっか、毎年七夕の日は保育園で七夕祭りがあるんだった。
雨の場合は保育園の体育館に先生達が用意した店が並ぶ。園児はそれぞれに浴衣や甚平などで参加でき、親子で楽しめる行事だ…―