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君と見たあの星

第2章 10年前の七夕




体育館には太鼓の音が鳴り響いているのに、俺と彼女の距離には温かなゆっくりとした風が流れていた。


「星奈ちゃん、教室行かない…?」


彼女を見詰め彼女の前に自分の手を差し出した。

彼女は少し照れ臭そうに俺の手を掴み頷いた。


この小さな手が俺の髪に触れたんだよね…


彼女の小さな手を俺は握り返し歩き出した。


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