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お医者さんは何でも知ってるっ

第3章 ③




『じゃあねお母さん、今まで通り運動制限しておきますので』



「あっはい、分かりました、ありがとうございます〜」



お母さんが浅く頭を下げて先生から書類を受け取った。



この書類のお陰か、このせいか、



私は今まで学校行事の一つであるマラソンをしたことが無い。



これはみんなからとても羨ましがられた。



"走りたくない"のではなくて"走れない"ことに出来たから、みんなに対しての罪悪感は全くなかった。



これがこの病気の唯一の特権だと思えた。


唯一の。


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