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好きにしていいよ

第4章 再開















聞き覚えのある懐かしい声に…、








初めて顔を見て、実感した。








先輩と黒谷敦史は、まさか似てるとは思ったけど兄弟だったなんて…








「んあっ!バカ…っ…はげしっ…あんっ…いやああぁっっ!!」

「くっ…締めすぎだつっの…」

「ああんッ!…やぁ…だって…あっ!ぁあん!!」




もしかしたら、




先輩は俺のこと忘れてるかもしれない。




ニヤニヤしながら、こっちを見てる。




もう過ぎ去った過去だとしても、好きだった人にこんな場面見られるなんて…



「やっ…!いやっ…あぁッん!!」




心では嫌だと叫んでいても、男に馴染んでしまった身体は正直で。




痺れるような甘い快楽にーー絶頂に登りつめていく。




俺が欲望を放つと、ナカに熱いものが注がれた。




「んっ…あっ、ん」




もう指先ひとつでさえ、動かせる気がしない。




覆い被さるように、黒谷敦史の身体が俺を包み込む。




「俺だけの…もんにしてぇ…」




ドキリと、胸が高鳴る。




無神経で俺様で、




誰がいようが平気で、セックスしちゃうような変態野郎に…




張り裂けそうなくらい、胸をドキドキさせちゃうなんて。




悔しいけど、




こんなの認めたくないけど…




俺は黒谷敦史を………










「こいつだったらイケるかも。俺にも貸してくれよ」




今更会いたくなかったのに…




頬をゆっくりと撫でられて、ビクリと身体が震えた。




急激に冷え切っていく心、




あれほど好きだった先輩が、今は恐怖でしか感じなかった。




「おい、勝手に触るなっ!!」




そう言い放った黒谷敦史は、奪うように俺を抱きしめる。




心地良いと思った。




ずっと、この腕の中にいたいと思った。








「なんだよ、俺はお邪魔虫かよ~」

「そうだ、さっさと出ていけ」

「ひでぇ、俺の家でもあるんだけどっ!」



パタリと閉まるドア。




ブツブツと文句を言いながら、先輩は部屋を出ていた。








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