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好きにしていいよ

第7章 報われない想い





うん、可愛い。

それはペット的な可愛いさだけれども。



「動ける?ゆうちゃんちまで送ってくよ」
「いいよ。なんか悪いし…」

「俺がゆうちゃんと一緒にいたいの!だから送らせてよ」




照れた顔は純情少年そのもの。

まさかAV男優やってるなんて、誰も想像つかないだろうな…




「じゃあ、肩貸してくれる?」




立ち上がろと踏ん張ってみても、思ったよりも身体がいうことを聞いてくれない。
ふわりと宙に浮く身体は、樋口大貴が俺を抱き上げたからだ。


俺よりも一回り小さいのに…




「重いでしょ…」

「てか、ゆうちゃん軽すぎだよ。ちゃんとご飯食べてる?」

「うん…」




そういえば黒谷敦史にも、こんなふうに抱き上げられたことあったなてふと思う。

樋口大貴には悪いけど、全然ドキドキしないしときめかない。




会いたいな…




あの人は今も他の誰かを、抱いてるのだろうか。

そう想像しただけで、胸が締め付けられたように痛くなるんだ。




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