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好きにしていいよ

第7章 報われない想い





それから、樋口大貴に寮まで車で送って貰って。

俺を降ろすと今度は背中におぶって、マンションの中まで連れて行ってくれた。




「ゆうちゃんの部屋どこ?」

「ごめんね…迷惑かけちゃて…」

「俺が好きでやってるんだって!ゆうちゃんは気にしないで!!」




本当に良い子なんだと思う…

俺の為に、ここまで一生懸命になってくれて。




「ありがとう…樋口くんのこと好きだよ…」

「そう簡単に期待させるようなこと言っちゃダメだよ…ゆうちゃんが好きなのは黒谷敦史なんでしょ?」




ここまで優しくされる資格なんて、俺にはないのに。


泣きそうになるじゃん…


部屋まで運んでくれた樋口大貴に、ベッドにそっと降ろされる。




「樋口くんは大丈夫なの?その仕事とか…ゆっくりしたいよね。ごめんね…俺のせいで…」

「言ったでしょ!俺がゆうちゃんと一緒にいたいからて!!もう可愛いなぁ!!」

「俺より樋口くんが可愛いし…」

「ゆうちゃんが可愛いに決まってるじゃん…それに…俺のことだいちゃんて呼んで欲しいな」

「うん…分かった…」




まだ出会って間もないのに、樋口大貴はフレンドリーに接してくれて。 恋愛抜きで、良い友達になれそうな気がした。




「だいちゃんてモテるでしょー」

「まあね。ゆうちゃんほどじゃないけどね」

「全然だよ…俺…ずっと恋愛対象が男だったから…まともに付き合ったこともないし…おかしいかな?」

「まっ…マジで!?」




樋口…いや、だいちゃんは心底驚いた顔をしている。

子供みたいに幼い顔をしていても、きっと恋愛経験は俺よりも豊富だと思う。




「だいちゃんは…付き合ってた人とかいるの…?」

「まあ、それなりに…女の子とも付き合ったりしてたし。でも男の数が多いかなぁー可愛いかったらあんま性別とか関係ないしね」




顔に似合わず、だいちゃんはたくさんの恋愛をしている。

それにグイグイ攻めるタイプで、俺なんかとは全く正反対で…




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