テキストサイズ

好きにしていいよ

第9章 告白





「今日はここまでな…」




優しい声と共に、腕の中に包まれる。

俺を気遣ってか黒谷敦史は、それ以上のことはしてこなかった。


もっと、
酷くして


好きにしていいのに………


壊れてもいいから、抱いて欲しい。


なんて……、

恥ずかしいから、俺からはそんなこと言えないけど…




「俺としてはもっとしたいけど、今日は我慢してやるよ」




そう言って、離れていく黒谷敦史。

なんか寂しい…

これも黒谷敦史の優しさだって、分かっているけど…




「なに?俺に側にいて欲しいんだ?」

「えっ…」




ニヤニヤしている黒谷敦史。

状況を把握して、沸騰したように頬が熱くなっていく。


無意識て怖い…


どういうわけか俺は、黒谷敦史の服の裾を握りしめていたわけで。




「あ…、あの…これは…ち、違うからっ…!!」




恥ずかしくて黒谷敦史の顔が、まともに見れなくて、

ぎゅっと抱きしめられて、バカみたいに心臓が跳ねた。


細いけど俺よりも、
ずっと筋肉質な身体…


この腕に抱かれたと思うと、有り得ないくらいドキドキする。




「可愛い奴…」




頭をクシャリと撫でられて、そんな仕草にも見惚れてしまう。

これて、かなり重症。


これから俺は…

きっと

黒谷敦史を、どんどん好きになる。




「おっ…れは…へ…ぃきだから……あんたの好きにしていいよ?」

「随分と積極的なんだな」

「えっ…」




自分で言っておいて、恥ずかしさのあまり薄い毛布に潜り込む。

今までの俺だったら考えられないことで、

物凄く恥ずかしい――!!




「顔みせろよ」

「やだ…」




こんな顔見られたくない。


俺…今…


絶対…


変な顔してると思うから。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ