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好きにしていいよ

第9章 告白





「今日は最高の日だったな…」

「えっ…」




顔をあげた途端に、黒谷敦史に両手を包み込むように掴まれて。

チュと、手の甲に優しくキスされた。




「お前の気持ちも聞けたし…やけに素直で可愛いしな…」




とろけるような甘い時間が過ぎていく。


自分でも気づかない気持ちに、黒谷敦史はきっと分かってたんだ。


俺の気持ちに………




「好き…。おれっ…あんたのこと…物凄く好きだ…」

「うん、知ってる」




ふわりと身体が包まれる。

黒谷敦史に抱き締められて、もう何も考えられない。

ただこの心地良い温もりを、ずっと感じていたかった。




「…しなくていいの?」

「バーカ、弱ってる奴に手をだすほど鬼畜じゃねぇよ」

「俺がしたいて言っても?」




自分でも大胆なことを言ってるとは思ってる。

だけど……

好きだと実感した今、直に黒谷敦史の熱に犯されたかった。

触れてみたかった。


おかしいかな…

身体は疲れてるはずなのに……… 揺れる眼差し…

俺を見つめる黒谷敦史の頬が、赤く染まってるような気がした。


もしかして、、照れてる?

じっと見つめて、益々赤くなる黒谷敦史の顔。


これは貴重かもしれない。

普段はクールで、滅多にこんな表情見せないから




「あんたでも…照れることあるんだ…」

「そう見えるのは気のせいだ…」

「嘘…あんたの顔…すっげー赤くなってるし」




子供みたいに強がってる黒谷敦史は、物凄く可愛い。


こんな顔…

俺にだけしかみせないで…


そんなふうに思うのは、俺の我が儘かもしれないけど。


自惚れてもいいかな…

俺は黒谷敦史に、愛されてるて。




「バカ…今日のお前は可愛いすぎて…俺の心臓が持ったねぇよ」

「あつし…」




自分でも、意識していなかった。

彼の名前が無意識のうちに零れ落ちて、


もしかしたら、ずっとそう呼びたかったかもしれない。




「それ、もう一回言ってくれよ」

「えっ…」

「名前…敦史て、呼んでくれただろ?」




今度はちゃんと意識して、大好きな彼の名前を言ってみる。




「あつ…し…」

「聞こえない、もう一回」

「もうっ…しつこい!!」





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