君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
言ってしまえばまーくんも俺も、初めて
だから最初から上手くいくなんて思ってないし、はっきり言って何がどうなんだかすら分かってなかった
ネットとかの知識しかないのは仕方ないんだけど
……だからさ、その
後ろを使うってまでは分かってたんだけどね
当然だけどその為の準備なるものなんか、俺もまーくんも知らなくて
「…痛すぎて蹴っ飛ばしちゃったの」
「どこを?」
「まーくんの、……」
咄嗟に両手をそこを隠した潤くんが、何とも言えない顔をした
「いや、待て。それ洒落にならんだろ」
そこを思い切り蹴られた痛みなんか、想像するだけで寒気がするもんね
分かってるよ
俺だって男だし、考えただけで恐ろしい
だけど
「指が、あまりに痛くて、気付いたら…」
無意識に
そう、無意識にそこを狙って蹴り上げてた
もうそれは、本能としか言えない防御反応で
「雅紀が不憫すぎる」
潤くんに呻くようにそう言われれば、…俺は黙るしかなかった