君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
「で、雅紀は?」
「俺が焦ったから気にするな、って」
「オトコだねぇ」
「でも、…避けられてる」
俺がどよーんとしてる理由
まーくんのソレを蹴って動けなくしてしまった後、必死に謝る俺に涙目のくせに消えそうな声で “大丈夫“ って言って
だけど “ごめん、悪いけど今日は……“ ってまーくんから帰るよう促された
その後、やっぱり気になってライン入れたけど
“かずは悪くないよ“ と返してはくれたのに、今朝の登校は別々
さっき、まーくんのクラス行って話しかけたら、気まずそうに目を逸らされた
だから、それ以上話なんて続けられなくて
「うぇ…っ」
思い出したら、鼻の奥が痛くなってきた
だってまーくんに避けられてるって言葉にしたら、一気に悲しくなっちゃったんだもん
今まで、避けられたなんて1回もなかったから
「ねぇ、潤くん…っどうしよう」
「うん」
「嫌われちゃったのかなぁ」
「それはないだろ」
こんなに落ち込んでるってのに、何なのその面倒臭そうな態度