君はぼくの全て
第11章 補習 1
母さんの顔は、面白いものを見つけた子どもみたいにワクワクした顔で
ー……老けてるけど
だけど逃がさないと言わんばかりの目にやたら迫力があって怖い
「えと、あの…」
「和也と、そういうお付き合いなんでしょ?」
「はい」
そこを迷わず頷くまーくんに、思わずにやけた
また1つ好きが大きくなる
「あの、俺……」
まーくんが、息を分かるように吐いて顔を上げた
「あら、なあに?」
にっこり笑う母さん、…だからそれが怖いんだってば!
「俺、かずを女の子とかそんな事思ってなくて。かずだから好きで、だからどっちが女の子役とか考えた事なくて、だから…っ」
テンパってるけどまーくんの言葉は真剣
母さんの質問に答えてるような答えてないような、ちょっと微妙ではあるけど、そんなのはどうでも良くなった
だってだよ?
まーくん、俺の母さんにはっきり “かずだから好き“ なんて言ってくれちゃったんだもん
にやけた顔が戻らなくなっちゃうじゃんか