君はぼくの全て
第11章 補習 1
まーくんの隣で感動する俺に母さんの視線が向けられる
「…これのどこがそんなに良いのかしらねぇ」
「あなたの息子ですが」
我が子をこれ扱いって酷くない?
「そりゃね、自分の子だから可愛いけど、世間一般からしたら平凡で何も取り柄もないじゃない」
「だって親がこれだもん。当たり前じゃんか」
「分かってるわよ。だから言ってんじゃないの」
「むぅぅっ」
そう言われちゃ何も言い返せない…っ
「それでも雅紀くんはこれがいいの?」
だから “これ“ って言うな!
「はい」
お箸を置いて、何だか固まったようなまーくんがそれでも即答した
「まーくん…!」
嬉しくて思わず母さんいるの忘れて腕にぎゅっとしがみつく
「いっそちゅーしちゃえば?」
平然とのたまう母さんにまーくんの顔がトマトみたいに真っ赤になった
うん
ずっと思ってたけど、やっぱり母さん変だ
良く言えば理解ある人、だけどそれを差し置いても絶対おかしい