君はぼくの全て
第12章 補習 2
相手にすれば、普段運動してない俺の足が遅くなる
だからもう、後ろの潤くんの存在を消してひたすら体育館を目指す事にした
てか、教室から体育館までの距離(階段2階分付き)を息切れもしないで笑いながら付いてくるのがムカつく
体育館に着いたら、部長の前でみんなが頭を下げてるとこだった
“しっかりな“ とか何とかゴリラが吠えてるのが聞こえて一気に力が抜ける
何人かが肩を叩いたり、ハイタッチしてる
……聞けなかったじゃないか!!
体育館の入口にしゃがみこんでゼーゼー息を吐きながら、思わず込み上げそうになる涙を堪えて唇を噛んだ
選ばれると思ってたし、その時の喜ぶまーくんを見たかった
万が一ダメでも、その時は何も言わないで見守るつもりだった
そのどっちも逃したなんて、俺可哀想過ぎる!
「にの?」
……こういう時ってさ、普通気付くのって決まってると思うんだ
「どしたー?んなとこに座って」
そして、頭をぽん、って撫でてさ……