君はぼくの全て
第12章 補習 2
「黒いなお前」
「は?」
いきなりの潤くんの突っ掛かりに眉をしかめた
俺、何も言ってないし、まだ心でも言ってないんだけど
「当ててやる。お前、池田が抜けた後雅紀が入るかもって喜んでるだろ」
「う、…違う、けど違わない」
「あっさり認めた」
「だって…っ」
「ま、池田の怪我は雅紀は関係ないからな」
なら言うな
まるで俺が人でなしみたいじゃんか
「けど、雅紀におめでとうとは言うなよ?あいつのプレッシャー半端ねーぞ」
「分かってるもん」
あのね、潤くん
一体アナタは俺を何だと思ってるの
バスケに詳しくない俺だって、予想外のスタメン入りの緊張くらい分かってるからね
でも
…でもね
ごめん、モブ…じゃなくて池田
まーくんが念願のスタメンでちょっと嬉しい
ゆーっくり時間掛けて怪我直すんだよ
試合に間に合わせるなんて、無理しなくていいからね?
そのくらいは思っても、いいよね