君はぼくの全て
第13章 補習 3
「ね、かず」
撫でてた手が止まった
「俺が、補欠じゃなくてちゃんとしたレギュラーになったらさ」
「うん」
「目一杯応援してよ」
“帰ろ“
先に立ち上がったまーくんが、俺の手を取った
当たり前のように繋がれた手が嬉しい
緩んでしまうほっぺたは、隠しようがない
だって人前ではあまり繋がないのに、こうしてさらっと繋いでくれてるんだよ?
しかもね
繋いだ手、いつもより強い
ちょっと痛いくらいにぎゅっと握ってくれてる
だけど
ー…まーくんの顔が、ちょっと違う気がする
珍しく何も話さないまま家までの道を歩いている
だけど居心地悪いとかそんなんじゃなくて、何だか少しだけ強引に感じるまーくんにドキドキして声が出なかった
だって歩調を合わせて歩いてない
あからさまではないけど、今は “一緒に歩いている“ より “引っ張られている“ 感が強い
「かず、携帯ある?」
「え、うん」
なに?
やっぱ、まーくん変だ