君はぼくの全て
第13章 補習 3
『ああ、雅紀くんには言ってないから大丈夫よぉ。揶揄うのはあんただけで充分面白いから』
……性格悪っ
ああでも、まーくんに言わないだけ良かったの、かな?
だって言ってたら、せっかくの初のお泊まり(っていつの間にか決まった)が意識しすぎて気まずくなるだろうし
…にしてもさ
いきなり電話して、俺に何も言わないでサクサク決めちゃう強引なまーくんなんて珍しい
これ以上カッコいいとこがまだあるなんて、んもうどうしてくれよう!
きゅんきゅんし過ぎてヤバいんですけど
適当な返事をしながら、隣に立つチラチラとまーくんを見上げる
さっきのチラ見よりは、チラチラ…いや、ガン見に近いけど
それに気付いたまーくんがにこっと笑ってくれた
…あれ?
もしかして "そういう事" を想定してるのは俺だけ?
だって俺の方は何だか熱くて、さっきから耳まで赤くなってるって分かるけど、まーくんは特に赤くなってもない
そう言えばまーくんは普通に母さんと話してたっけ