君はぼくの全て
第14章 補習 4
"噛み付くように" じゃない
ガブッと本気でまーくんの唇を噛んでた
いや、わざとじゃないよ?勢いって言うか、照れ隠しって言うか
それが思いの外がっつりいっちゃって
「…っ!」
まーくんの顔が痛みに歪んだのを薄目で見て初めて気が付いた
「あわわっ!ごめんねまーくん!!」
下唇がじわじわと赤みを増して、血が滲んでる
噛んだんじゃなくて、噛み切っちゃった!
「ん、大丈夫」
まーくんが苦笑いしながら唇を舐める
「すぐ止まるから」
「でも、痛い?…痛いよね?」
血が出てるんだから痛くない訳ない
「大丈夫」
そう言って笑ってくれるけど
俺の気持ちがそれで治まる訳ないじゃんか
どうしよう
何かしてあげたい
……
………
…………あ、思い付いた
「まーくん」
「ん?」
「俺が舐める」
「うん、……え?」
「動かないでね」
「か……」
かず、と止められる前に
血の滲むまーくんのそこを、ぺろっと舌を突きだしてそっと舐めた