君はぼくの全て
第14章 補習 4
「…優しく、するから」
「うん……」
煽っちゃったのは俺だけど、その気になってくれたまーくんが髪をやわやわと撫でてくれる
余裕そうに見えるそれだけど、撫でる指がちょっと震えてるのを感じて何故か泣きたくなった
期待と、不安と
大好きな人とついに結ばれるかもって喜びと
「あ、でも……」
「え?」
「下に親がいるんだった」
「あ…」
盛り上がり掛けてまた落ちた
あー、そうだそうだった!
1階に、まーくんの親いるんじゃん
普通の戸建てに超防音!とかある訳ないし、下手に振動が響いても確かにヤバい
万が一上に上がってきて、見られたりなんかしちゃったら「ヤバい」では済まされない
でももう、今日は止めたくないよ
まーくんと1つになりたい
「こえ…」
「ん?」
「声、出ないようにするから、だから…」
"止めないで"
口にするのは恥ずかしいけどホントの気持ち
ああでも
まーくん、凄く困った顔になってる