君はぼくの全て
第2章 2時間目
目を丸くする智の顔なんか見れる訳なくて、下に転がってる小石を蹴っ飛ばした
「俺、別に怒ってないけど」
「怒られる事なんかしてないもん」
「かず」
「…ごめんなさい」
まーくんに嗜められて、また下の石を蹴る
「調子狂う。マジやめて、謝るとか」
智が焦ったようにまーくんに視線を向けた
こら、まーくんを見るな
見ていいのは俺だけだってば
「でも……見たかったんだもん。まーくんの試合するとこ」
つい、ポロッと出ちゃった言葉に、背中に触れる手がまた優しく撫でる
「かず、次は出れるように頑張るから」
「うん」
「かずが応援してくれるから、絶対選ばれるようにする」
「うん…!」
「ありがと、かず」
「まーくん大好き!」
「おーい、俺を忘れんな」
もう!
良いとこで邪魔すんなっ
まぁ、止めてくれなきゃ “まーくん、チュー“ って言うとこだったから
邪魔してくれて良かったの、かな
でもやっぱ、何かモヤモヤ