君はぼくの全て
第2章 2時間目
だって今は、夕方だし薄暗いし
智以外周りには誰もいない
…智がいなかったら手だって繋ぎたいし、もっとくっつきたい
でもね
だからと言って帰り道に智がいないのも何処か物足りなく感じるんだよね
「なぁ、明日何時にする?」
「うーん、…9時くらいかなぁ。かず、起きれる?」
「まーくんが迎えに来てくれるなら」
「もちろん」
にっこにこのまーくんに、同じようににっこにこで返す
智がわざとらしく咳をして妨害したけど気にしないもんね
「んじゃ、9時に駅な。潤にも伝えとく」
「うん」
あ、また俺を通り越してまーくんに言ったな、こいつ
でも今日は許してあげよう
何たって明日の遊園地の招待券を貰ったのは智だ
お邪魔虫が2人いるけど、まーくんとのデートに変わりはない
そんなの、あっち着いたら別行動を取ればいい
いつも土日は部活ばかりで、なかなか一緒に出掛けられなかったんだもん
朝からずっと傍にいられるなんて、どれだけ振りだろ