君はぼくの全て
第2章 2時間目
いつもは付かず離れず…いや、ちょっとだけくっついて歩くこの慣れた道が
ただ手を繋いでるだけで、全然違う道に感じてしまう
もっともっと家が遠ければいいのに
そしたらまーくんは、きっとずっと手を繋いでいてくれる筈
「そっか」
「え?」
「え?」
「そっか、って、どうしたの?」
ああ、また俺口に出しちゃってた
どうも最近口元が緩いなぁ
「んーん。遠回りしたら、もっと手を繋いでられるなって」
「そっか」
「うん」
今度はまーくんが “そっか“ って笑う
うん、この顔やっぱり好き
「……でも」
「え」
「もう、かずんち目の前」
「むーっ」
もうちょい早ければ、1本曲がり道があったのに!
“まぁまぁ“ と握った手をまーくんが軽く振る
玄関前でそっと手を離す
バイバイ前の、まーくんのキョロキョロ
…もしかしたら、今日は
少しだけ期待してみる
だって、珍しく手を繋いで歩いたんだから