君はぼくの全て
第3章 3時間目
「んじゃ、これな」
遊園地の入口で、智がチケットを出した
それぞれ受け取ってゲートのお姉さんに渡して中に入る
中に入ったら別行動!
まーくんと2人で回るんだ、とすぐに振り返ると
「あ…」
まーくんは、潤くんとマップを眺めて “どれから攻める?“ なんて話で盛り上がっていて
「かずは何乗りたい?」
楽しそうに話すまーくんを見たら、何だか別行動したいとは言えなくなった
「にのは絶叫系ダメだもんなー」
智がニヤニヤして俺の顔を覗く
仕返しのつもりか、こいつ
「え、そうなの?」
まーくんが驚いた顔をして俺を振り返る
「…ダメってか苦手」
嘘付いて無理矢理乗せられるのが嫌だから素直に認める
「ってか、何で大ちゃんがそれ知ってるの?」
ん?
まーくんの目がちょっと怖いのは何で?
「え、中学の卒業旅行ん時」
智が、滅多に見ないまーくんに怯んでる
「そっか」
声までちょっと低いとか、…俺も何だか怖いんですけど