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君はぼくの全て

第3章 3時間目


ん?

“卒業旅行“ ?

えーと、何で俺まーくんといなかったんだっけ?

必ず一緒にいるから脳のインプットも当たり前にそうされていて、記憶を引っ張り出すのに20秒

「あーー!!」

「わっ、なんだよ!」

智の驚きを無視してまーくんに飛び付いた

「まーくん、寂しかった!」

「うん」

「一緒にいたかったのに」

「俺もだよ」


いきなり始まった2人の世界に、智も潤もポカーンとしてる

でもそれはどうでもいい

智のせいで思い出してしまった悲しい出来事の方がいくら時間が経とうと重要なんだから


そうだ

中学の卒業旅行は、国内でも知名度のある人気の遊園地で

クラスが違おうが、まーくんと一緒に回る約束だった

なのに

「ツイてなかったね、あれは」

まーくんが苦笑しながら背中を撫でる

「風邪ならともかくインフルじゃあ仕方ないしね」

「だからまーくん、今日はそのリベンジね!」

「うん、大ちゃんが俺の知らないかずを知ってて悔しいから」

「まーくん…!」

「かず」


「バカップル、行くぞ」

やけに冷静な潤の声が、やけに冷たかった

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