君はぼくの全て
第7章 特別授業 1
で、でも……
こんなとこで?
クラスの連中の視線が凄いよ?
羨ましいだろ!と言う見せつけたい気持ちは確かに強いけど、今は妙に恥ずかしい
それもこれもまーくんがカッコいいから、としか言えないけど
「かず?」
スラックスの裾に手をかけ、すぐにでも捲り上げようとしたまーくんが俺を見上げる
あああ
滅多に見れない上目遣いがヤバい
微妙に足に触れる手にドキドキする
「ま、まーくん!大丈夫だから!ね、早く帰ろ!」
これ以上カッコいいとこ曝け出して、まーくんに惚れるバカがいたら困る!
「惚れねーわ」
潤くんが呆れ顔で目の前に来ていた
「お前はエスパーかっ!」
今は絶対声に出してない
なのにその絶妙なツッコミは何で?!
「顔見りゃ分かる」
「すごいね、潤」
いやいやまーくん、そこ感心するとこじゃないから
だけど潤くんのツッコミが良いきっかけになって、まーくんが立ち上がってくれた
そのタイミングは逃しちゃいけない
「まーくん!行こっ」
まーくんの制服を引っ張って、その場から逃げるのは今しかない