君はぼくの全て
第7章 特別授業 1
後ろから揶揄う声が聞こえたのは知らんぷり
勝手に言ってろっての
学校終わった今からの時間は1秒たりとも無駄にしたくないんだから、付き合うつもりもない
「かず、ホントに痛くない?」
学校からだいぶ離れた場所まで歩いてきた処でまたまーくんが聞いてきた
うーん、ちょっとしつこいと思わなくもないけど、これがまーくんの優しさ
「平気だってば」
ね?とその場でピョンピョン跳ねて見せる
痛かったらこんなこと出来ないでしょ?
「分かった。もう言わない」
そう笑って返したまーくんも、多分俺の表情から考えてる事を見抜いたっぽい
…そんなに分かりやすいのかな、俺
ポーカーフェイス、作ってみようかな
クールでミステリアスな美少年、なんつって
「ごめんね、かずが心配だったから」
「まーくん……」
にへ、と頬が弛んだ
あ、やっぱ無理
ポーカーフェイスもミステリアスもなし
まーくんの優しい言葉に反応しちゃう