君はぼくの全て
第8章 特別授業 2
あ、まーくん凄くテンパってる
初めて見たかも。このおろおろする姿
何か動揺するまーくんはカッコいいより可愛く見えちゃう
「まーくん、あのね」
「かず、どうしよう…」
「大丈夫だから」
「え?」
「だから大丈夫なの」
まーくんの手をぎゅっと握る
帰り道は恥ずかしかったくせに、今は何故か全然平気
「母さんね、喜んでた。ってか、面白がってた」
ー…昨日
リビングに呼ばれた俺を待ってたのは、優しいとか慈悲深いとかそんなんじゃない
なんつーか、悪魔な微笑
でも、男同士なのに、とか気持ち悪い、とかそんなのは何も言われなくて
まあ、母さんからしたら、まだ結婚だとかそういう年齢じゃないから好きならいいじゃん?って軽いノリで
ー…雅紀くんなら好みだからいいわぁ
とか言ってたし
その後に 「妊娠の心配もないしね」などとほざいた事は、まーくんには内緒にしておこう
そういう事を思い付く母さんは、息子から見てもヤバいし
身内の恥はあまり知られたくないかも