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君はぼくの全て

第8章 特別授業 2


「あ…そ、そう、なんだ」

「うん。まーくんに遊びに来てとも言ってたよ」

ホントに来てくれたとしてもすぐに部屋に閉じ籠るけどね

母さんの前なんかにまーくんを差し出す訳ないでしょ

何言い出すか分かんないし

まして相手が誰だろうと見せたくないもん



「かず」

「え、わっ…」

グイッと引き寄せられて、あっという間にまーくんの胸に抱き締められた

手に持っていたペットボトルを思わなく落としそうになって、慌てて握り直す

片手はまだまーくんに触れたらまま、…ってか、気付いたら逆にしっかりと握られていて


胸に抱き締められてるんだから、上目遣いになっちゃうのは必然的で狙ったわけでも誘ったわけでもなくて

…いや、心の中で “ちゅーしたいな“ なんて思ったのは事実

だからちょっとだけ “こうしたら可愛く見えるかな?“ とは計算した


だから

「好きだよ、かず」

俺が何か言う前に、まーくんの唇が俺のそれに触れてきた瞬間

握りしめた筈のペットボトルは簡単にスルリと俺の指から逃げ出していた


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