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LGBT~愛とは~

第1章 1章ーゆうきー

2028年6月5日。
ベランダに立ち、早朝からお気に入りの煙草であるわかばを気持ちよさそうに一服していると、女の子が僕の名前を呼んでいるような気がした。
ベランダの下から見える自分よりとても背の低い少女の旋毛を愛おしそうに見つめた。
「ゆきちゃーん!」
思わず、僕が叫ぶと、
「ゆうきくんー!」
と彼女は、僕がいるベランダを見上げ、小さな手をひらひらと振り、応えてくれる。
「いってきまーす!」
彼女が背負っているのは、赤いランドセル。
そう彼女は小学生だ。元成人女性の僕が歩いて5、6分の比較的近い天狗橋小学校の3年生だ。僕はそこで5年生のクラスで教諭をしている。

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