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月明かりの追憶

第5章 迷走する恋

もぞもぞもぞ、暗闇で蠢く小動物が1匹。



んっ?起きた、えっ、まだ4時過ぎじゃん寝ていろ。

ギューッと抱きしめれば、焦ったかのように益々動く北山。

あぁーもう、なんなんだよ。



藤「北山」

北「‥‥‥」



声を掛けると、黙ったまま。



藤「起きてるんでしょ?狸寝入りはやめて、こっちを向きな」



すると、観念したかのように俺の方へと向き。



藤「頭、痛くない?」

北「でぇ…じょぶ」



俯き加減で、目線を合わさず。



藤「ふっ」

北「藤ヶ谷、俺な」

藤「ん?なに」



昨日、なにか言った?そう聞く小動物くん。



藤「言った、クスッ」

北「なっ、なんて!」



うわっ、凄い食らいつきよう、アハッ



藤「ふーじーがーやー好きって」

北「うっそだぁ、ガハハハ」



笑いで誤魔化す北山 宏光、我らがグループの最年長。



藤「それから (俺ね、俺、お前に抱かれると安心するんだわ) 」

北「言ってない、ぜーったい言ってないもん」

藤「ぷぷぷっ」



“でね、愛…してる‥ひゃあーハズいハズい”



北「だぁー俺がニカたちの前で、んなことを」

藤「言った、クスッ」



“なのに、なのに連絡して来ない!なんなんだっつーの”



藤「ひろくん拗ねちゃいますって、クククッ」

北「いやいや、おまえ盛ってるだろ」

藤「いんや、拗ねてたんでしょ?」

北「うっ」

藤「拗ねてたんだ、クスッ」



と、こいつは顔を真っ赤にし俯き。



藤「俺が連絡をしなかったのは北山にゆっくり考える時間をあげたかったからだよ」

北「えっ、そうなの?」



そう言うと目んたま、これでもかってくらい大きく見開き。

俺は、そんな北山に自分の思いを話して聞かせる。




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