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月明かりの追憶

第7章 今に生きる

・北山side

番組収録のあと局内を歩いていたら、春日さんに遭遇する。



春日「藤ヶ谷くんってどうしてあんなに北山くんのこと束縛するの?」

北「えっ」

春日「まるで彼氏みたいだね、クスッ」

北「あぁ…ハハッ」



返事に困る、実際にそうだし。



北「だから春日さんは」

藤「兄貴みたいな感じなんだろ」

北「そっ、そう」

藤「一万円生活のときのヒロ、俺の前ではしない表情をしてた」

北「太輔、ハァ」



今では、二人だけの時には下の名前で呼び合っている俺たち。



藤「まっ、俺は年下だし」

北「あのな…」

藤「あんなイチャつき方はしない」

北「向こうだって弟だと思っているさ」

藤「でも」

北「んっ?」



それは、勘のようなものだったのだろうか。



藤「嫌なんだ、クッ」

北「太…輔?」

藤「取られるとか信じられないとかじゃなく理由は俺にも分からないんだけどさ」



ギュッと、抱きしめてくる藤ヶ谷。



北「おっ、おい」

藤「嫌で堪らないんだよ、チュプ」

北「んんっ」



ドサッと、そのまま押し倒され。



北「ちょ、これから、仕事、あっ」



ギシッ、ギシッ!

太輔、何がそんなに不安なんだわ。



春日「北山くん?」



俺は、いつだって傍にいるよ。



春日「どうしたの?北山くん」



絶対に離れたりしない、そう約束したろ。



春日「北山くんって」

北「あっ、はい、なんです」

春日「思い出してた?」

北「えっ」

春日「昔のこと、フッ」



春日…さん?




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