月明かりの追憶
第7章 今に生きる
・北山side
少しずつ本当に少しずつ、だんだん徐々に目が慣れきて。
「…ハァハァハァ」
聞こえる誰かの息遣いが俺に、その存在を知らせていた。
「これで最後か、クッ」
(えっ?この声、春日さん!?)
とたんドサッと、倒れる音がし。
北「春日さん、いるのそこに」
が、返事はなく。
北「春日さん、春日さんてば」
すると―
春日「北…山‥くん…そんな‥大きな…声‥出さ…ないで‥ハァハァハァ」
この息遣い?ハッ
北「春日さん、どうしたの具合でも悪い?ねぇー春日さん」
春日「ふっ、大丈夫」
北「でも」
春日「ちょっと…運動したら‥疲れちゃってね…少し休ませて貰っていいかな」
よーく目を凝らして見ると
(いた、あそこに)
大きな身体が横たわっている、急いで傍へ寄ったなら。
北「春日さん」
春日「‥あはっ、見つかっちゃった…ハァハァハァ」
北「苦しそう何があったってわけ?」
春日「んーもう終わったから、それより」
北「えっ」
とつぜん、膝の上に頭を乗せて来てよ。
春日「思った通り気持ちがいい、フッ」
膝…枕?
春日「これくらいは藤ヶ谷くんも許してくれるでしょ」
北「ぁ…‥」
あのぉー俺、反応に困ってしまうんですけど。
春日「スースースーッ」
北「寝てるし、クスッ」
つうか、ここは一体どこ?
改めて周りを見渡すと洞窟、いや地下道かな。
ピチャ、ピチャ、時々天井から雫が滴り落ち。
この感じ、やっぱり俺は知っている。
初めて魔物に拐われた、オーガの棲みかに似ていた。
(まさか…)
思い出した瞬間に、自然と身体が震え。
(早く出た方がいいんじゃ)
そう思ったとき。
春日「大丈夫、心配はいらないよ」
春日…さん?
春日「奴らはもういない」
眼をつぶったまま、ふっと笑った顔。
「姫、我が姫セレネ」
木霊する、懐かしい声。
少しずつ本当に少しずつ、だんだん徐々に目が慣れきて。
「…ハァハァハァ」
聞こえる誰かの息遣いが俺に、その存在を知らせていた。
「これで最後か、クッ」
(えっ?この声、春日さん!?)
とたんドサッと、倒れる音がし。
北「春日さん、いるのそこに」
が、返事はなく。
北「春日さん、春日さんてば」
すると―
春日「北…山‥くん…そんな‥大きな…声‥出さ…ないで‥ハァハァハァ」
この息遣い?ハッ
北「春日さん、どうしたの具合でも悪い?ねぇー春日さん」
春日「ふっ、大丈夫」
北「でも」
春日「ちょっと…運動したら‥疲れちゃってね…少し休ませて貰っていいかな」
よーく目を凝らして見ると
(いた、あそこに)
大きな身体が横たわっている、急いで傍へ寄ったなら。
北「春日さん」
春日「‥あはっ、見つかっちゃった…ハァハァハァ」
北「苦しそう何があったってわけ?」
春日「んーもう終わったから、それより」
北「えっ」
とつぜん、膝の上に頭を乗せて来てよ。
春日「思った通り気持ちがいい、フッ」
膝…枕?
春日「これくらいは藤ヶ谷くんも許してくれるでしょ」
北「ぁ…‥」
あのぉー俺、反応に困ってしまうんですけど。
春日「スースースーッ」
北「寝てるし、クスッ」
つうか、ここは一体どこ?
改めて周りを見渡すと洞窟、いや地下道かな。
ピチャ、ピチャ、時々天井から雫が滴り落ち。
この感じ、やっぱり俺は知っている。
初めて魔物に拐われた、オーガの棲みかに似ていた。
(まさか…)
思い出した瞬間に、自然と身体が震え。
(早く出た方がいいんじゃ)
そう思ったとき。
春日「大丈夫、心配はいらないよ」
春日…さん?
春日「奴らはもういない」
眼をつぶったまま、ふっと笑った顔。
「姫、我が姫セレネ」
木霊する、懐かしい声。