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月明かりの追憶

第7章 今に生きる

河「えっ、膝まくら」

千「あちゃーハハッ」

戸「アハッ」



穏やかな顔、瞳を閉じ寝ているようにも見えるがよく見ると呼吸は。



玉「ハッ、腹部に血が」

横「なに!?」

北「くっ、止まらねんだ!さっきからずっと押さえてるんだけどよ」



北山の手は、真っ赤な血で染まり。



藤「ハッシー、タマ」

橋「フィーリング!」

玉「癒しの光り」



その身体を、祈るような気持ちで抱き締めている姿に心が傷んだ。



千「頑張れ頑張れ春日さん」

橋「くっ、あと少し」

河「ハッシー」

玉「血さえ止まってくれれば、クッ」

戸「玉森」

北「ルーク、眼を開けろ開けるんだ!ルーク」



と、次の瞬間!



千「開いた」

藤「春日さん!」



ジーっと、北山を見つめる優しい眼差し。



春日「大…丈夫‥ですよ…北山…くん‥だから…泣かないで下さい」

北「春日さん、かす…ヒクッ、うっわあぁ」



ひろ―



横「よし地上へ出よう」

一同「コクン」



ルークとセレネ 二人の間には、この俺でさえ割って入ることが出来ない絆がある。



若林「春日!」

春日「ふっ…若林…くん」

若林「おまえ何やっているんだよ心配かけさせやがってさ」



ギュッと、その身体を強く抱きしめる若林さん。



春日「痛い…痛い‥です」

若林「…バカ‥やろ」



その姿を見ながら、俺は当時のことを思い出していた。

恋愛感情というよりも、もっと深い。

俺は、その越えられない姫への無償の愛に妬いたものだ。



北「藤ヶ谷」

藤「んっ?ニコッ」



でも今は…



北「ありがとな太輔」



ギュッと抱きつき、耳元で囁くヒロ。



藤「バーカ当たり前だろ」

北「ふっ」



眼と目で視線を合わせ━

これからも妬いてしまうかもしれない、けど春日さん。

このエリオは貴方の想い、しっかりと受け止めました。

これからも見守っていて下さい、そして有り難うございました感謝しています。

身をもって護ってくれたこと━

ルークは転生してもルークだった、なんら変わらず。

それが、俺は何よりも嬉しかったんだ。




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