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月明かりの追憶

第2章 奪われてくエナジー

横「あれはなんだ?」

玉「ミツが黄色く輝いている」

ポ「月のプリンセスのエナジーが解放されてしまったんです」

戸「なんだって!?じゃあいつはどうなってしまうんだよ」

ポ「‥‥‥」

河「ポッキー答えろ」

ポ「宏光は転生したとき、そのエナジーを身体の奥底に封じ込めたままこの世に誕生しました」

五「なぜ」

ポ「魔から身を護る為」

塚「それが解放されたら」

ポ「自我を失ってしまいます多分いま彼は僕達が話しかけても何も反応を示さないでしょう」

玉「そんな」

橋「ダメだよ」

戸「ハッシー」

橋「こっちを見て俺達はここにいる助けに来たんだ」



ここは何処?



「宏光、ニコッ」



母さん俺、何をやっていたんだろう。



「もーあんたって子は、ほら大好きな生姜焼きを作ったわよ」



うっまそ。



「これを食べて明日からまた頑張りなさい」



人は死ぬ前に何を見るのか、いろいろと言われてはいるけれど。

俺が見たのは、優しい母さんが作った不味い生姜焼きだった。

笑っちゃうよな、クスッ

けど、俺にとっては最高のおふくろの味なんだわ。

“…山”

目の前で、あいつらが必死で戦っているだなんて知るよしもなく。

俺は、その空間に身を置きながら。

“…北山”

楽になれるのを待っていた気がする。



藤「北山あぁーっ」

横「太輔、前に出るな」

河「危ねぇ」



グサッ!



玉「ガヤ」

藤「くっ‥目を覚ませ北山…俺は‥ここにいる…会いたかったんじゃねぇのか‥その眼でしっかり…見ろよ俺は今お前の目の前にいるんだからさぁ、グフッ」



藤…ヶ谷?



藤「北山あぁーっ、こっちを見ろおぉ」



つんざくように聞こえたあいつの叫び声、ハッと眼を見開いたそこには。

血塗れになりながらも、俺の方へ這ってくる自分の相棒の姿が見え。

その手を前へ差し出しながら。



北「…くっ‥よくも…俺‥の相棒を」



大切なシンメを、てめぇら傷つけやがったな絶対に許さない!

こいつを傷つけた代償は、その身で償いやがれ。

怒りが頂点に達したとき、俺の中でエネルギーのようなものが爆発し。

ピカーッ!

何が起きたのか分からないまま、再び意識を失ってしまう。

まるで、暗闇の中へ落ちて行くかのように。




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